遠山玉希の占い日記

先日私が板チョコの定番である明治ミルクチョコレートを

食べるために無造作に表紙の紙を開けようとしたら

ちょっと待ったがかかった。

もちろん我が家のドラえもんからである。

きちんと丁寧に開けるようとの要望である。

いつからそんなきめ細かく、几帳面になったの？

いつもはそんなことないのに！

と心の中で思った。

それで面倒なのでドラえもんにチョコレートを渡した。

そうするとちょっと開けてなにやらはさみで切るのである。

え〜え、チョコレートを広げるのではなかったの？

よ〜く見ているとベルマークを切っているのである。

それもわずかに１センチ四方の小さな紙切れである。

確かにベルマークを集めて学校に持っていかせることは

良いことであるから賛成である。

先日も新しいティシュペーパ-を子供達が出した時、

ベルマークは付いていなかったか？聞いていた。

そんなに熱心にベルマークを集めるドラえもん

だったかな？

しかし集めても子供達に学校に持っていけばと率先して

言っているのは聞いたことがない。

不思議に思って聞いてみた。

「どうしてベルマークにこだわるの？」

「よくぞ聞いてくれた！

僕の小さい頃は小学校でベルマーク集めがあった。

その時ベルマークを持っていこうとしたが

ベルマークが一つもなかった。

なぜかと言うと、家は貧しいわけではないが

ものを買わないお母さんだったからベルマークは

なかったのだ！

だから学校に持っていくベルマークがなかったのだ」

確かにベルマークはものを買わないと集まらない。

私も、特に小学校の頃ベルマークを集めるのに

いつもものを買ったときチェックしてはさみで切って

学校に持っていった記憶がある。

私の場合以外とたまって持っていったものである。

しかしドラえもんは違うようである。

貯めること自体が嬉しいようである。

ベルマーク集めにそんな秘められた思いがあったとは？

誰が思えるでしょう！

その証拠にドラえもんの机の中を開けたら

ワンコーナーにベルマーク入れがあり

その中に溢れるようにたまっていた。

遠い過去に出来なかったこと今果たしたいという

なんとも切ない少年時代を元に返そうとしている、

ドラえもん少年の姿をその場で見たような気がした。

過去にタイムスリップしているそんな

ドラえもん少年が いじらしくさえ思えた。

これから私もせっせとドラえもんのベルマーク集めに

協力したい気持ちになったのは言うまでもない。