遠山玉希の占い日記

かぐや姫は毎日午前中に着替えを持ってやって来る。

しばらく我が家で滞在しないといけないので、

自分で自転車を購入した。

今は昔に比べて本当に自転車は安くなっている。

７０００円で立派な新品の自転車があるのである。

その自転車に乗って病院までやって来る。

家から病院まで５分くらいである。

朝５時に起きて子供達の朝ご飯、そしてお弁当をつくり

学校に出してくれる。

その後掃除、洗濯をして私の所にやってくる。

９時半から１０時頃である。

今７６才であるが、本当によくやってくれている。

２０年前にくも膜下出血で生死を彷徨う大病をしながら

それでも命をいただいて今私の看病のために奮闘している。

けっして健康そのものとはいえない。

今でも頭に爆弾を抱えているからである。

でも私の為に、可愛い孫のためにと懸命にがんばっている。

毎日夕食のメニューに頭を悩ませながら、いろいろと

考えて作ってくれているらしい。

子供達やドラえもんによると

「ママよりは料理が遙かに美味しい！

品のある奥行きを感じる料理だ。」

とかぐや姫の料理を絶賛している。

良かった！

かぐや姫は細やかさが私と違うので料理にも

その個性が出るのである。

私がいなくて料理に困ると言うより私がいない方が

料理が美味しく更に嬉しいの方が救いである。

とにもかくにも、かぐや姫は我が家で

大活躍しているので、私も安心して病院で

休んでいられるのである。

そのかぐや姫と病院の１２階、最上階にある

レストランで昼食を一緒にした。

河北潟や内灘の名物サンセットブリッジ内灘や

風車の見える絶景が一望に見えた。

穏やかな秋の昼食のひとときであった。

これ以上かぐや姫に苦労をかけたくないと

新たな想いが浮かんで来るのであった。

ピイ、ピイ、ピイと音がする。

冷蔵庫の開けっ放しの音？

それともポットの沸騰合図の音

と思いきや、炊飯器の炊きあがりの音である。

この３つの音はよく似ているからどの音か

聞き分けるのが大変なことがある。

咄嗟に聞き分けないといけないのである。

何故ならば炊飯器の炊きあがりの音を

見逃さないために・・・。

我が家には一つのルールがある。

ウルトラマンの点滅のように３分以内に

やるべきことがあるのである。

炊飯器が炊きあがったら３分以内に

ご飯をかき混ぜるのである。

何故ならばご飯に命を吹きかけたいからである。

それをするのとしないのとでは

ご飯の味が全く違うのである。

まるで赤ちゃんが生まれた時に

オギャーと第一声の産声をあげるように・・・。

ご飯にも産声をあげさせてあげないといけない。

その証拠にご飯をかき混ぜないとご飯が

美味しくない！

時々ご飯が炊きあがって１時間位してから

炊飯器の蓋を開けてのぞいてみると

ご飯が眠ったままで死んでいるように見えるのである。

そんな時はガッカリする。

そんなことが極力無いように、家族には

ご飯が炊きあがったことが分かったら

即座にご飯を回して置くようにお願いしている。

その甲斐あって、最近では皆協力的である。

だから家族のみんなピイ、ピイ、ピイの音に敏感である。

特に台所で良く勉強したり、遊んだりしている次男が

ご飯廻しに最も協力的である。

夕方、そろそろご飯が炊けそうだと思って

私は仕事をしている部屋から台所に行って炊飯器の蓋を

開けて回そうとした時、もうすで回してくれている時が

たびたびある。

何も言わなくってもちゃんと黙って回してくれている。

そんな時、ちゃんと分かってやってくれていることに

嬉しさを感じる。

そして家族の小さな協力に、さりげない優しさも

感じるのである。

心の中で”ありがとう！”とつぶやく私である。

夜、ＮＨＫのプロフェッシャナルを見た。

大腸内視鏡医の、工藤進英先生の内容だった。

実際３ヶ月前、私自身大腸内視鏡を受けた立場として、

また３年前の９月、病院を訪ね直腸ガンと宣告され

奈落の底に突き落とされた経験をした私にとって

非情に興味深い内容だったからである。

まさに人ごととは思えなかったからである。

患者さんの気持ちが手に取るように分かる。

私も３年前同じような心境で、病院を訪れた経験が

あるからである。

番組の中である患者さんが、どの病院を訪ねても、

開腹施術で、人工肛門をしないといけないという患者さんに、

出来るだけ開腹手術をしないで、人工肛門

でない方法をというぎりぎりの判断をするのである。

この工藤先生、質問された内容で、とても感じるところ

があった。

先生の患者さんに接する原点は何ですか？

という言う質問に答えられた内容が、

印象的であった。

「私の考えの原点は、

もし、私の家族だったら〜どうするだろうか？です。」

とあっさりと言われた。

この先生は本当に、真から患者さんのことを考えている方で

あると思えた。

真に優しさがあるから、そう考えるのである。

命を救うだけでなく、その後の人生を救うための

行動を取っているのである。

この質問の答えに私はビビビーと来た。

あ〜あ、私と同じだと思えた。

何故ならば、私も命名や改名をする時、

このように思って考えるからです。

やっている内容は違うかも知れないが、

やる原点の心が同じである。

私も命名をするとき考えるのは、

もし私の子供だったらどの名前にするだろうか？

という考えから出発するからである。

もし家族であったらどうするか！

という観点から物事を判断する。

これはとても重要な判断基準であると

再度認識したのである。

本当に格好いい人というのはこういう人のことを

言うのであろう！

そして本当に優しい人というのは、

こういう人のことを言うのであろう！と思えた。